CN遺伝子日記帳

技術的な問題への解決策を提案するふりとか同人誌の話とか

2018-01-01から1年間の記事一覧

過去作回収:月面原風景

「月に来たって変わらないんですね」 「何がさ」 「罪悪感です」 「そりゃあ、自分が変わらなければどこにいたって同じだよ」 「そうですよね、漠然と、何か違うのじゃないかと思いました」 「あの遠くの青い星を眺めれば、か?」 「ええ……気の遠くなるよう…

歌の神様への道のり #003

誰が望んでいるか知らんが、まあ僕自身は制作日誌として残したいので久々に進捗報告いたします。 進捗状況 本文40% 六万文字程度完了。足場固めのために修正工程を実施中。 イラスト 順調、のはず。なぜならばホヤホヤのスケッチを頂いたからです!イラスト…

C94感想(桜あんみつ、Pの好みは祭りの響き)

コミケいってないというか、あまり現地に行くつもりもないのですが、なぜか現地でしか入手できない二作品が手元にありまして。感想エントリです。あとネタバレありです。 桜あんみつ(信太派制作所) 名作ADV・水月を思わせるようなジャケット。見かけは個人…

眠りの技法、夢見の作法

※本エントリはオカルトであり宣伝であり生活情報であることを先だってお断りします 品川、人間性の引き抜かれた労働マシン群に対して「アディオス」と別れを告げ颯爽とビルディングを下りましょう。 満員電車のゴミクソオヤジが己の優位性を誇示しようと脇腹…

遺影たちの宴会

曇天の中、車通りの少ない田舎道を進む。田畑の遥か先にそびえるピンネシリの山々はすっかり鈍色の雲に覆われ、あの気高き威容もうかがい知ることができない。 「結構久々じゃないか」と父は言い、田舎家の敷地へ右折した。幼少期、半年に一度は訪れていた父…

歌の神様への道のり #002

スケッチ 二章、前半中盤 メトロの地上出口、階段を踏みしめるほどにその音は大きくなっていく。また一段昇る。鈍くて低い、暴力的とも言える周期的な金切り。ついに私は最後の階段も飛び越え、太陽の光を直接浴び、思わず音の発生源を探す。 「……プロデュー…

歌の神様への道のり #001

単なる美意識の問題でLaTeXの章番号をゼロから振ってほしいなぁとか思いつつ。プリアンブル触ればいいんでしょ多分。 で、本題の製作日誌。 進捗 ISF05に出す以前に書き溜めたのが3万文字程度。20%程度の想定。 『歌声よ、月の裏側から届け』Web公開用修正 4…

木下ひなたの『鏡』

白銀の中にポツリと浮かぶ赤黒い馬は湯気立つ息を吐きながら、木下ひなたの乗る木ゾリをゆったりと引いていく。 「じいちゃん、馬、寒くない」 「さみいだろうな」 「じいちゃん、疲れない」 「疲れんのは馬だべ」 老夫は馬と並び歩き、しっかりと握った手綱…

歌の神様への道のり #000

人間は所詮、社会でごっこアソビをしているに過ぎないと、先日のISFが終わった後の中華料理店で合点がいったのだ。 アイマスの「プロデューサー」もそうだし、なんなら社会に出て働くとは、あんなもん全てサラリーマンのコスプレなのだ。 律儀に締め切りを守…