白銀の中にポツリと浮かぶ赤黒い馬は湯気立つ息を吐きながら、木下ひなたの乗る木ゾリをゆったりと引いていく。 「じいちゃん、馬、寒くない」 「さみいだろうな」 「じいちゃん、疲れない」 「疲れんのは馬だべ」 老夫は馬と並び歩き、しっかりと握った手綱…
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