CN遺伝子日記帳

技術的な問題への解決策を提案するふりとか同人誌の話とか

歌の神様への道のり #001

 単なる美意識の問題でLaTeXの章番号をゼロから振ってほしいなぁとか思いつつ。プリアンブル触ればいいんでしょ多分。

 で、本題の製作日誌。

進捗

  • ISF05に出す以前に書き溜めたのが3万文字程度。20%程度の想定。
  • 『歌声よ、月の裏側から届け』Web公開用修正 4%ぐらい。

参考文献紹介

『音楽嗜好症(ミュージコフィリア): 脳神経科医と音楽に憑かれた人々』:オリヴァー・サックス

 書評はまあ探してくださいって感じなんだけど、書きたい内容について非常に有益な視座が得られた。参考という枠を超えて興味深く、特に『瞬間を生きる』の章は感動的。思わず『キミはメロディ』を浮かべた。

 次は積んでいる『インフォメーション―情報技術の人類史』を崩したいけど厚い。電子版がほしかった。

木下ひなたの『鏡』

 白銀の中にポツリと浮かぶ赤黒い馬は湯気立つ息を吐きながら、木下ひなたの乗る木ゾリをゆったりと引いていく。

「じいちゃん、馬、寒くない」

「さみいだろうな」

「じいちゃん、疲れない」

「疲れんのは馬だべ」

 老夫は馬と並び歩き、しっかりと握った手綱を通じて馬を引いていく。

「じいちゃんが引いてるのに?」

「ああ、おかしいな」

 老夫はガハハと声高に笑う。笑い声に連鎖したかのように馬は尻からぽとりぽとりと糞を落としはじめた。その巨躯からは想像できない粒のような糞は、すっかり雪で覆われた道なき道の上にまるでパンくずのように蒔かれる。

「うんちしてるよ」

「うんこしたかったんだな」

 その上をひなたの乗ったソリが通り過ぎ、糞が道に埋め込まれる。その様子が滑稽だったのか老夫はますます笑い声を上げ、つられてひなたも笑い出す。いつしかソリはシラカバでできたマーブルの林を抜け、太陽をキラキラと反射するだだっ広い雪原を通り越し、二人の自宅にまでやってきた。


 のそりのそり納屋から戻ってきた老夫はかんじきを脱ぎながらフードで雪をほろっていた。

「今日はあったけえ」

 ひなたはその言葉を聞くなり温度計に目を移した。日が最も高い時間だというのに氷点下は優に下回っている。それでも確かに氷点下二桁の世界よりは幾分ましなのは事実だ。

「じいちゃん、しばれんかった?」とひなた。

「ああ、こんなでしばれんべさ」

 老夫は分厚い鎧のような防寒具を一枚一枚剥がしていく。最後には股引と擦れたランニングシャツ一丁になり、茶の間へと上がった。石油ストーブの前に陣取り、体に熱を入れている。その背中を見て育ってきたひなただったが、そのたびに一つの疑問が浮かぶのだった。

「じいちゃんの背中の傷、まーた赤いよ」

「冷えると赤くなるんだ」

「なんでだべ」

「なんでだべな」

 老夫の隣にひなたも座る。暖かい……大きな体。外は吹雪くかも……でもここは暖かい……。


 木下ひなたは今やアイドルだ。東京湾の埠頭に据えられたこのシアターでスポットライトを浴びながら歌を歌い、踊りを踊る。

「あれ……寝てた……?ずいぶん……」

「それにしても、さっきのじいちゃん、プロデューサーに……」

歌の神様への道のり #000

人間は所詮、社会でごっこアソビをしているに過ぎないと、先日のISFが終わった後の中華料理店で合点がいったのだ。 アイマスの「プロデューサー」もそうだし、なんなら社会に出て働くとは、あんなもん全てサラリーマンのコスプレなのだ。 律儀に締め切りを守りつつ刊行している同人誌もそうだし、ぜーんぶ何もかもごっこだ、ゴージャスなオママゴトに過ぎないのだ。

ただし、「ごっこ」は決してくだらないことではない。幼児の発達には「ごっこ」が欠かせないし、なにより大多数が「ごっこ」に夢中にならないと社会が回らない。挙げ句の果てはおまんまの食い上げだ。死ぬのは良いが苦しんで死ぬのは嫌だ。

だからこそ、俺が「ごっこ」を極め、次の同人誌の製作日誌を書こうがなんの問題もなかろう。ないよな。うんうん。そのための導入だ、気恥ずかしいからな。

さて、続くのかわからない製作日誌ですが、#000では次に向かうため前回を葬り去る必要があると考え、「プラチナの首輪、血の滲む指輪」のあとがきを書きましょうと。そんなところです。

「あとがきにかえて」しまったあとがき

タイトルについて

c.f. 無印千早コミュ(パーフェクト選択肢はプラチナの指輪

Forget-Me-Not

Web版を修正して再録。見たまんまの話ですが、重要なのは如月千早に関する問題を「再帰構造」で解決しようとする点です(無限ループではない!)。 また「組合せ」も双対をなすテーマで、小説は文字集合の組合わせに過ぎないし、プログラムもまたバイナリの組合せに過ぎないわけです。

ただ、『バベルの図書館』を鑑みるに、所望のパターンを取り出そうと総当たり的にコトを進めるとすぐさま次元の呪いにぶち当たりヘナヘナとその場に崩れて膝をつくことになるわけでして。

じゃあどうしますかと?

解がまばらにしか埋まっていない空間を効率よく探索できるのがホモ・サピエンスの紛れもない知的能力であると私信じており、その能力をフルにぶん回してあるべき場所にまでたどり着きましょうと。そんなことを考えてパチパチとキーボードを叩いているわけです。

憧憬の嬌声甲高く

悪辣。書いてて「誰がこんなの書いてんだ、相当なろくでなしだな」とすら思う。しかし愚息はかなり元気。

だからこそ、キーボードをタイプしている隣で千早が薄ら笑いを浮かべて、こう口にしていたのだろうなぁ。

「独善的な断罪が気持ちよくて仕方ないんですね、プロデューサー?」

姿見

これも再録。千早のお腹を枕にして寝たい。起承転結とかいいから、各位の可愛い千早像を想起させてほしい。

夢の泥沼を這う

筋肉少女帯の『高円寺心中』みたいなのやりたいなと考えながら執筆。千早と夢みながら底なし沼に沈んでいきたいでしょ、どう考えても。

あと千早に首絞めてとせがまれたら絞めてしまうし、できれば千早にも首を絞めてもらいたいでしょ、どう考えても。

Prologue / Recall

溢れ出る平沢進ネタ。溢れ出る南国感。溢れ出るおしっこ。

……それはいいとして、プーケットは日本人全然いないしマジでいいところなので各位の千早と今すぐ旅立って自堕落ックスを繰り広げて欲しいです。 プーケットサイモンキャバレーにもどうぞ足を運んでください。


とまあ、あとがきはこんなもんで。製作状況は次回以降に譲ります。 近々は処女作のWeb公開作業も並行して進めつつ、元気だったら関西のイベントにも出ようかと。

……で!宣伝!この新刊の千早本と、既刊の朋花本の通販を始めたので是非!

cn-idenshi.booth.pm

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