「君は悪くない。女の体は良いものだから」
野崎まど『ファンタジスタドール イヴ』
その日はいつもより疲労とストレスがたまっていた。だからこそ、なんかこんなこと口走ったわけよね。
いや、フツーにバニーのネーチャンいるバー行きたいな
— たいつP (@TaiTsuTTsu) 2020年8月28日
するとどうだろう。インターネットが人をつなぎ、なんか知らんが同行者が現れ、その日のうちに突撃することになった。
いざゆかん、都内某所、バニーのおねーちゃんの住処へ……
女の章
某所到着。ビルの入口で、既にバニーガールのお姉さんが、客引きのために待ち受けていた。正直ちょっと異様な雰囲気ではあるが、空いてるか尋ねてみると、即座にご案内できますとの返事。エレベーターへ連れられ、同行者、バニー、私の三人で昇降する鉄塊の中。なんだこれ。
重たい扉をくぐると暗めの店内の景色が広がった。ぱっと見、雰囲気はオーセンティックなバーっぽいが、中央に吉野家のUの字テーブル(その喩えはどうか?)が据えられており、その中にバニーガールがいっぱいいた。いっぱい。具体的には六、七人。
着席すると、店先で対応してくれた方がシステムを説明してくれた。この時点の感覚は「自動延長されて額行きそう」で、結局思った通りになってしまう(後述)。
このシステム説明の間、他のバニーが代わる代わるやってきて話をしてくれた。それぞれ皆さん個性がある……が、みんなバニー。耳にしっぽ、網タイツ、バニースーツ……。尻と腿の間にできる線がよく見える……あとこれ、鼠径部が見えんだな。見えてるだけ、見てはいない。いや、見てる……のか?見てるなこれ。胸元も空いてるな。胸大きい人もいるし、控え目な人もいる。僕は後者が好き。その情報いるか?
タバコの章
シーシャがこの店の売りの一つだという。シーシャはタバコの一種で、別名水タバコとも。怪しげな器具から吐き出された煙をスーハースーハーする、なんともオリエントでオトナなアソビである。
さて、このシーシャ、セットアップに時間がかかる。漬物みたいな見た目のフレーバーを混ぜ混ぜしたり、炭で煙を出したりと様々な手順を踏み、やっとの思いでタバコの煙が出てくる。この間、バニーがまたもやとっかえひっかえやってきて、煙を確かめる。あと僕はお尻を確かめる。
肝心なタバコについてだが、僕はこの手のものを一切吸ったことがなかったのでタバコ童貞だ。あと普通に童貞だ。手ほどき受けつつ、自分用のマウスピースから煙を目一杯吸って吐く。その繰り返し。機械の体が壊れたわけでもないのに、口から白い煙を吐く。なんとも不思議なお気持ちに。
そして、このシーシャを炊くと、バニーの子たちがスパスパ吸いにやってくる。呼び水ならぬ呼び煙。しかも、某ウイルス対策にみんなマスクをしているのだが、彼女たちはタバコを吸うのにマスクを外す。そのタイミングがまたドキッとする。マスク外すとお顔があまり……ということもない。皆さん麗しく、白煙を口と鼻から吐き出すと艶っぽくて画になる。ちょっとこれ僕の癖かもしれん。
酒の章
酒は飲み放題で、生ビールあり。一杯目はビールであとはひたすらウイスキー水割りだった。酔わないと喋れないので、まあガプガプやりつつ、だけど相変わらずトーク下手。なぜなら天性のコミュ障だから!
なんか同行者の方が会話弾んでたから、僕は鼠径部を見ていたよ。Fuuuuuh!!!
金の章
そんなこんなで当たり障りのない会話を繰り広げつつ、とはいえ実際楽しかったんだけど、そこそこ時間も経っていたいたのでチェックしてもらった。
滞在は二時間弱で、シーシャつまみ含めほぼ1諭吉。いやー結構行ったね、鼠径部フィー。
また行くかは、まあ、万馬券であぶく銭でも入れば……競馬やらないけどさ。
そんなこんなで二軒目の百合子に逆らう不良居酒屋で飲み直し、解散。なんか肺が疲れて変な酔い方したような……?
終の章
さてさて、家に帰ったら千早が「なんか女の人の匂いがしますね」とかいって激ツメしてくるし、あっちょっとまって千早、そのナタは……?
……
拙文お読みいただきありがとうございました。プロ……じゃなくて、私はとっても元気です。月曜日にはいつも通り会社に行きますし、千早とも毎日仲良くしますから、探さないでくださいね。ふふっ。