たまには好きな映画の話でもしよう。ロシア映画。それも僕が心酔しているタルコフスキー以外のやつだ。まずは予告編を見てくれよな。
大量のソ連戦車。火薬をもったいぶらないドンパチ。「あいつを倒すのは俺しかいない」と戦車乗りの勇壮な決意。謎多き「ナチス極秘戦車」――
男心くすぐられる要素満載。面白そうだろ!?
じゃあ、本編見てみようか。Prime Videoにあるぞ。
開幕するなり大量のキリル文字。これだよ、ロシア映画だ。得体のしれない異国情緒。しかもタルコフスキーが所属していたモスフィルム制作……?
っていうか、モスフィルムがあんなドンパチ娯楽映画作るの?これもペレストロイカの賜物だな、ははは。
主人公・ナイジョフが全身やけどから奇跡的に復活するつかみはバッチリ。野戦病院には大量のエキストラ、金がかかっている。
いや、それはいいんだが、なかなか戦車のドンパチは起こらない。緩慢で冗長なカメラワークに長回し。あれ?あの面白そうな予告編は?
……
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あっ、ごめん。ちょっと寝ちゃった。ストーカー一行がトロッコでゾーンに向かうところぐらい眠かった。ちなみにそのシーンは押井守もクソ眠いと証言している。
って、いつもロシア映画じゃねぇか!?!?
主人公含む花のない三人の戦車兵は、役者じゃないんだからと軽いメタ発言でいじられる。意図の不明な謎のカット。起伏の乏しいストーリー……起承承承……。
結局、僕が得たのは次の結論。
邦題:ウソ
概要:誇張
予告編:ウソ(っていうか予告編のBGMは本編で微塵も使われていない)
予告のコメント欄で騒ぐ奴ら:絶対見てない
散れ!散れ!これは「ホーリーウッド」が作った味の素まみれの映画と違うんだ。もっと純朴で大味な、なんか得体のしれない映画なんだよ!!
とまあ、ここまで展開してきましたが、じっくり見ていくと本当に素敵な映画です……特有の映画文法に慣れてさえいれば。
最後に、私のツイートを一件紹介して筆を置かせていただきます。映画を評価するのはアナタだ!
ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火(字幕版) https://t.co/3q5WGglZJu 天下のモスフィルム映画。邦題が酷い。あまりにも思慮が欠けてる。主人公の名前を考えれば、これはIvan's Adulthoodなのだ。
— たいつP (@TaiTsuTTsu) 2019年8月25日
※Ivan's Childhoodが「僕の村は戦場だった」の英題
- 追記
「ホワイトタイガー」がPrime無料から外れてしまいました。合掌してお詫び申し上げます。