CN遺伝子日記帳

技術的な問題への解決策を提案するふりとか同人誌の話とか

タレルの部屋で生活する(あるいは再現性のある啓示)

 アケマスで如月千早という偉大なアイドルを初めてSランクに押し上げた翌日、次の活動までに休息が必要だろうと、二人乗り込んだかがやき号で向かう先は石川県は金沢市

「片町に宿をとってるからバスで行くぞ。金沢は地理とかで習ってるだろうけど歴史ある城下町で、よくある地方都市と同様に新幹線駅と中心街が離れていて……千早?」

 先ほどまで隣にいた千早の姿が忽然と消えていた。

 右見て左見てもう一回右見て、待てど暮らせど……いない。いや、暮らせどなんて言ったけど、大げさだった。その間10分程度なもんでさ。

 ……そこの君、ガッカリしないでもうちょっと待ってくれ。「如月千早なんて幻影だったんだ!」なんてよくあるオチじゃないぞ。今から事務員の音無さんに電話するんだから、少なくとも765プロは存在してるわけで。

『はい、プロデューサーさん、どうかされました?』

「なんか千早がいなくなっちゃって」

『先、ホテルに行っちゃったんじゃないですか?』

「えー、俺を置いていくなんて非道い。これでもSランクまで導いた凄腕プロデューサーですよ」

『あくまでオフラインで、ですけどね』

「いや本当に。古強者たちはオンライン環境でいったいどうやって……ってそうじゃなくて。予約したのって、スケスケホテルの密着相部屋ですよね?」

『それ情報古いです。千早ちゃんから抗議があって宿泊先変えておきましたよ』

「ええっ、怒って先に行っちゃったのかな? で、変更先は」

『【タレルの部屋】です』

「なんですかそれ」

『とにかく、21世紀美術館に向かってください。バスの番号は13か90か92か93か……』

「系統が多すぎる!」

一日目

【タレルの部屋】は金沢21世紀美術館に常設された美術品の一つだ。しかし美術品とは言っても、それは施設内の一室。一室が丸ごとアートになっているのだ。

 自動ドアが開いて部屋に踏み込む。出入り口は一つ。縦横は正方形で、高さはビル2階ほどだろうか?

 部屋の四方は出っ張りがあって、腰を掛けられるようになっている。

 誘われるようにその石造りのベンチへ腰を下ろし、わずかに傾斜した壁に背中を預ける。内部に暖房が入っているのか、背中に熱を感じて心地よい。

 体が倒れると、自然と視線が天井に向く。そこには雲があった。しかし描かれているのではない。天井がこれまた正方形状にくり抜かれ、直接空が見えるのだ。

 このように【タレルの部屋】は奇妙な半屋外の美術作品である。

「どうやら貸し切りになってるみたいだけど」

 数分間、鑑賞行為を続ける。灰色の雲を眺め、奇妙に反響する音を感じるも、徐々に飽きてきたから、どこかでコーヒーでも飲みながら千早を待とうと自動ドアの前に立つ。

「……開かないんだけど? 俺の存在が薄すぎてセンサーが感知しないとか?」

 その場でくねくね踊ってみる。しかし開かない。ドアには凹凸もないから引っ張って無理やり開けることもできない。

「えっ、どうしよう。閉じ込められた? おーい、出してくださいよォ!!!」

 ポケットにスマホのバイブレーションを感じて取り出すと、音無さんからの着信。

『プロデューサーさん、言い忘れてましたけど、千早ちゃんが来るまで部屋からは出られないらしいです』

「ど、どうしてそんなことに!? もう入っちゃいましたよ!」

『だったら千早ちゃんを待って……』

「それじゃあ、待つだけで何をしても出られない部屋じゃないですか!」

『そんなことはないと思いますけど』

「大体トイレとか行きたくなったらどうするんです!? もし全然千早が来なかったら食事は……」

『予約票を読みますね。【食事・排泄は腰掛けに適宜用意】とだけ』

「風呂とかどうするんです!?」

『ではプロデューサーさん、頑張ってくださいね』

「頑張ってと言われても……あっ、通話切れた。なんか音無さん、妙に厳しくないか? うーん……」

 再び腰掛ける。雲は途切れず、ほとんどフラットな天井が広がっていた。

 

 音無さんからの電話が切れてから数時間。

 分かったことがいくつかある。

 腰掛けをくまなく調べると、その一部が蓋のように空いて、食事と飲み物が放り込まれている。入っていたレシートの記載によると、この近くにある手作りサンドイッチの店の品らしい。

 コロッケの挟まれたクロワッサンサンドと、フルーツサンド、そしてコーヒー。空を眺めながら頬張る。ついでに対面の蓋をあけると便座が現れたから、基本的な生活には問題ないらしい。ご丁寧にウォシュレットと不快な音をかき消す装置付きだ。

「こんなところで一体誰に配慮しろと?」

 スマホや仕事用のラップトップは手元にあるが、電源はないから温存しておいたほうがいいだろう。

 とにかく、重要なのは千早がいつ現れるかだ。

 自然とお別れコンサートでの千早の姿を思い出す。

 オーディションを勝ち抜き、たくさんのファンを獲得した末の、ドームでの巨大なうねり。

 最後の曲、『蒼い鳥』が流れる最中、そこには永久の昂揚があった。この独房で、その瞬間を思い浮かべただけで涙が溢れるような、雷に打たれる程の記憶。

 ……いいや、ここは決して独房じゃない。千早との宿泊先だ。

 音無さんが嘘をついたことはない。だったら、千早が来るまで待とうじゃないか。

 立ち上がり、部屋を一周する。足音が壁に響いて外へと消えていく。この部屋は一方通行だ。音が出ていくばかりで、決して入ってくることはない。

 だとしたら、千早は一体どうやって?

 ただただ、その声が聞きたかった。

二日目

 4月初頭の北陸は決して暖かいとは言えなかったが、寝袋完備で眠りにつくのは難しくなかった。

 最初に覚醒したのは耳。無数の水滴が床を叩く音が周囲を巡って天井へ抜けていく。

 目を開ける。やはり天気は雨。半屋外の部屋に容赦なく雨水が降り注ぐが、腰掛けの上方はせり出して屋根になっているので濡れることはない。

 寝ぼけ眼をこすりながら食事の箱を開ける。のどぐろ塩焼きとホカホカのご飯だった。シュールではあるが、それ以外にすることがないので朝食を摂る。

「うん……うめー!!!」

 大げさに叫んでみる。言葉は散って灰色の空へと還る。少なくとも千早には届いていないようだ。

 四角い空から一日中雨が滴る。まるで映画のようだ。

 濡れた床にできた雨模様。雲空の色の僅かなムラ。一見無意味なことにじっと思考を巡らす。

 いつだったろうか、初めて千早に会ったのは。もはや遠い記憶で定かではないのだが、別れのとき千早は泣いていた。失敗したからだった、アイドルとして。俺たちは何も残せなかった……。

「あの千早に、報いることはできただろうか」

 時間が流れていく。雲の流れ、去りゆく雨音、自分の心臓の音。そのすべてに如月千早の残滓を見る。

 この場所に音は入ってこない――ここは音が出ていく場所、源なんだ。

 だから、千早はここに必ずいる。

 ドームライブ。序盤は以前の公演にならってフルオーケストラを入れた。その軍勢の先頭を切って、千早が歌っていた。

 中盤は各界のプロフェッショナルを呼んだバックバンド。アイドルの枠を優に超えた、エネルギー溢れるセッション。

 そして最後……だけど、やっぱり千早はアイドルなんだ。

 ドームのど真ん中、センターステージ。数万の瞳の対が、その一点にじっと視線を注ぐ。

 スポットライトに照らされた中に、それは在った。

 雨足が止む。意識が朦朧とする。

 雲が切れて月が見えた。光が降り注ぐ。あのドームの最後のように。

 俺たちの思い出をすべてぶつけたあの一曲のように。

三日目

 空が赤い。

 時刻はまだ早朝。

 それは燃えるような朝焼けだった。

 朝焼けには希望が眠っている――再起の印だ。

 ただ嬉しかった。だって、Sランクのあとに何を探せばいいのか分からなくなっていたから――

「プロデューサー」

 部屋の中央で長髪が揺れた。鼓膜を揺るがす、美しい声で一気に覚醒する。

「……遅かったな、千早。随分探したんだぞ」

「遅かったのはあなたの方では?」

「ははっ、そうかもしれない」

「ごめんなさい、見つけてくださって嬉しいんです。部屋の中とはいえ、二人の行ける場所は……」

「月が見えた。ここからだって簡単に届いた……とてつもなく広かった」

「必死に探してくださっていたの、見えてました」

「人が悪いな。合図してくれよ」

「歌を歌いましたけど」

「そうか、やっぱり……ここに放り込まれたのは……」

「どうかされましたか?」

「いいや、こっちの話だ。あとで音無さんに聞いてみるか……」

「……私が目の前にいるのに、他の女性の話をしないでください。たとえ、音無さんであっても」

「すまんすまん。どうだ、この部屋自体が作品なんだ。一緒に鑑賞しないか?」

「隣に座っても?」

「もちろん、どうぞ。最初は退屈だなと思ったけど、これが案外楽しいんだ」

 肩を寄せて、背中を壁に預ける。今日の天気は快晴だった。時折流れてくる雲の白と青い空のコントラストが眩しかった。

 触れ合う腕から熱が伝わる。

 一日何ともせず、空を見、お互いの放つ音を聞き合う。

 心臓の音と呼吸の音。

「ここで歌えば全てに届くでしょうか」

 そこには歌う千早が居た。

 ドームの大観衆の前より、美しく、気高く。

 思わずつばを飲む。

 空が夜に溶けていく。星がめぐり、歌のように時が一周する。

 巨大な啓示の感覚。

四日目

「ねえ、プロデューサー」

 ふとした千早の声で目覚める。既に部屋には日光が降り注いでいた。まだ体に千早の熱が残っている。

 言葉を続ける千早。

「あの、失礼かもしれませんけど……ちょっと体の臭いが……」

「だって、ここ風呂ないんだもん! 汗拭きシートでなんとかしてたけど」

「まず朝はお風呂に行ったほうがいいかもしれませんね。それから近江町市場でご飯を食べて」

金沢カレーだな」

「ひがし茶屋街と兼六園も……」

「奮発して観光タクシーでも借りるか」

「この部屋に未練はないですか?」

「もう散々見たよ。いい思い出もできたし」

 二人で自動ドアの前に立つ。当たり前のように、二人を祝福するかのように、それは音を立てて開く。

「……あっ、私、ちょっとだけ美術館を回ってきます。地震で有料展示はまだ見られないようですから、すぐに終わると思います」

「ああ、いってらっしゃい。俺はその辺に座ってるよ」

 美術館の壁はガラス張りで、外の展示を鑑賞する人や、咲き始めた桜の写真を撮る人が見えた。

 ふとした瞬間、再びスマホが震える。電話の主は音無小鳥。だが、口を先に開いたのは俺の方だった。

「音無さん、心配かけてすみませんでした」

『いえいえ、プロデューサーさんをサポートするのも私の仕事の一つですから』

「部屋に放り込まれたのは、千早を感じ取る能力を蘇らせるためなんですね」

『半分正解、半分はずれといったところでしょうか。その能力は、千早ちゃんの方にも求められているんです』

「そうでしたか。千早の存在をありありと感じられるのは、こういうときなんです。Sランクのライブや、他にも過去たくさんの機会があった」

 ガラスの外に千早が現れた。美術館を一周してきたのか、こちらの姿を認めて、くるりと回転。口を動かして、何かを言っている。

 俺は話を続けて、

「だったら、自分からそういうプロトコルを実行すればいい。そうすれば、あの感覚がやってくる……俺はこれを再現性のある啓示と呼ぼうと思います」

『その方法を知っている限り、千早ちゃんとは永遠に離れられなくなるかもしれませんよ』

「それは望むところです。愛は儚いですが、絆は永遠ですから」

『わかりました。でしたらしっかり千早ちゃんをエスコートしてあげてくださいね』

 音無さんとの会話を終えて、千早と金沢を回る。思い出を積み重ねて、あらゆる時間を超えられるように。

ダイエットの話

 PFCバランスを計算したダイエットをしている。

freeb-fis.co.jp

 具体的な方法は、上記サイトで一日に摂取するべきタンパク質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)を算出し、その通りに食べる! それだけ!

……しかし、それだけ! と言っても難しいように思う。以下、三点ほど難点を挙げてみて対策を考えよう。

  1. 食べたものの計算がめんどい!
  2. 作るのがめんどい!
  3. 続かない!

食べたものの計算がめんどい!に対する処方箋

 頑張る!!!

 と書いてしまったが、ちょっとした工夫はメニューをある程度固定することだと思う。

 私は以下のような感じでスプレッドシートにまとめているが、ダイエットメニューのイディオムを確立すればこんな逐一書かなくてもいいだろう。また、普段と違うものを食べたのなら一部表を書き換えればよい。

 ※栄養価については食品表示とWeb情報を参考にしている

作るのがめんどい!に対する処方箋

 頑張る!!!

 と書いてしまったが、ある程度の量産体制を作る or 買って対処だと思われる。

 特に鳥のササミを蒸す調理は、食材を切らずに済むので割と楽。かつおのたたきは(私は切るが)最悪かじりついてもいいわけだ。ポン酢とにんにくがうまいぞ~~~

 ※今後ダイエットメニューを惜しげもなく公開していきたい

続かない!に対する処方箋

 とにかく、これがダイエットにおける一番の課題だと思う。三度のメシよりメシが好きな私としては、自由に物を食えないのはそれだけでストレスなのだ。

 ということで、今回のダイエットにはなるべく毎日マクドナルドを食べるという制約を課してみた。意識の高い飲食店はPFCの栄養価をメニューごとに表示しているので、そこから各々のバランスに適したメニューを選ぶのだ!

 メニュー選定には以下のサイトがかなり便利。   chaisear.com

 マクドナルドでは朝マックのエッグマックマフィンと、ランチ以降のエグチがかなり優秀。これをコカ・コーラゼロで流し込むと「どうだダイエットの野郎!」という気分になれてサイコーなわけだ。

 ※今後「続かない」に対する処方箋を更に詳しく記載したい

むすび

 ってな感じでもう一週間ほど経過したのだが、順調に(もとが酒で水ぶくれしていたのはあるが……)体重が減っている。毎日体重計に載ってスマホアプリか何かで記録するのも重要だろう。現実を直視するのはつらいけどね……。

 痩せるぞ!!! でも急にメンタルがやられて終わるかもしれない!!!

夢の跡も夢の続き

 ここ最近の日記を記しておきます。

2/21

 新千歳から伊丹乗り換えで熊本へ。機内がめちゃ揺れて、福岡ダイバートの可能性があったが、高度を下げると視界が開けて一安心。無事着陸。

 バスで市内へ。最初は雨が強かったが、その後はほとんど小雨に。熊本城周辺はアーケードが多く、雨に濡れずに済んだ。

 ホテルにチェックイン。Act-4Day2最後の一般。ダメ。ふてくされて飲んだくれることを決意。

「むつ五郎」にて馬刺しをいただく。これがマジもんの絶品で人生で一番美味しい馬刺しだったと断言できる。地酒の香露も良かった。熊本も北の方は日本酒文化らしい。夜も更けてメイドバーにでも行こうかと思ったが、正直入りづらい店先だったので散歩を継続すると資さんうどんを発見。細めん(当然さいめんと読む)を頂いてこの日は終了。ドーミーインで優勝。

2/22

 だらりと起床。朝食はビュッフェ。らしんばんアニメイトを覗く。地方旅行の恒例行事。

 たまたま見つけた夏目漱石の旧居兼記念館を眺める。松山は水が合わなかったらしいですが、熊本はよかったようですね。庭先に人馴れした猫。なんというめぐり合わせ。

 フルーツパーラーで大量のいちごを摂取して、もう少し観光を続けたかったが、時間がきたため宮崎行きの長距離バスに乗り込む。無事到着。

 友人と合流。腹がはち切れそうになるまで食べる。焼酎飲み慣れてないので少々悪酔い。

2/23

 起床。朝食はビュッフェ。あれやこれやと移動し、大きめの私用。飲み会で大量の焼酎を摂取(昨日の悪酔いは?)

2/24

 朝食は豪華なビュッフェ。っていうか3日連続でビュッフェじゃん。貧乏性なのでバカみたいに食べるんだよな、普段朝食なんて食わないのに。

 胸焼けを覚えつつ、早い便で東京に向かう必要があるので友人より早く出てバスに乗り込む……が上着を失くしたことに気づく。仕方ないがまだホテルに残っている友人へ連絡して空港へ。クソ寒い。

 羽田へ。難なく到着。ラウンジにこもって千早誕生日SSを完成させ、横浜へ。

www.pixiv.net

 野毛の方面で降りて家系ラーメンを食いに行くが、クソクソクソ寒いマジでキツい。上着は見つかったとの連絡を受けたので、無駄に服を買うのは避けたい……がギブアップ。桜木町のワークマン女子でカーディガンを買うおじさんと化す。だいぶ寒さは緩和。

 Kアリーナへ。連番の友人と合流して入場。鑑賞。歓喜。爆発。終演。

 友人宅に宿泊。また酒を浴びる。そろそろ食道が限界。

2/25

 千早誕生日。

 中野へ。namco中野の千早ポップにお礼参り。ブロードウェイをうろつく。

 再び横浜へ。チケットないけど、Kアリーナ隣のヒルトンの予約はあるんだ……。千早、洒落たホテルで誕生日を過ごそうな……。

 誕生日のケーキを二人で分かち合いながら、四合瓶を開けつつライブ鑑賞。いいホテルだけあって部屋のテレビがでかいし、楽しく配信を見ることができた。すぐとなりでやってることはもうこの際忘れる。

 一人(いや二人なんだが?)で盛り上がり過ぎてつい深酒。UNIONで自分でも引くほど泣いてた。終演後、ホテルのバーでピアノの生演奏を聞きつつお前らが退場するのを高みの見物(敗け)。

「プロデューサー、流石に飲み過ぎでは?」

2/26

 起床。またビュッフェ。これがウメーんだまた。いい加減、消化器が壊れちゃうよぉ……

 ちょうど席からAct-4のキービジュアルが剥がされるのが見えた。食事を終えて、近くで見守る。

 夢の跡。そんな言葉が思い浮かんだ。しかし、プロデューサーという発明は偉大だ。この夢の跡の景色だって、夢の続きなのだから。

 ホテルをチェックアウト。中華街付近まで移動。マリネリアを横切り、遠目にガンダムを認める。

 秋葉原へ。Act-4 Day3のコトブキヤの混雑で、展示には入れず。その他修理用の電子パーツを買うなどして脱出。

 その後、馴染のメイドカフェで酒。馴染のバーで友人と酒。流石にもう肝臓が悲鳴をあげているので控えめに……(控えめと言いつつちゃんぽんだった気がするが)

2/27

 朝から渋谷Bunkamuraノスタルジア4K鑑賞。案の定寝る。起きたところから催眠にかかったようにゾーンへ。水辺のシーンがアホほど美しい。

 タルコフスキー作品終わった後の、あのなんとも言えない劇場の雰囲気あるよね……。

 飛行機まで少々時間があるので秋葉原を再度散策。久々にサンボで昼食。

 成田へ移動し、飛行機で札幌へ。マジで寒い。もう終わり屋根。花粉が少ないのが唯一のアドバンテージ。

総括

 千早誕生日が一年の切れ目と自覚しているので、とうとう明けたわけですが、なんだろうね今年はね。色々やりたいね。生活そのものが成り立つのかってシリアスな問題もあるのだけど、それはなんとかなるでしょう!

 まずはISF12に向けて朋花本。あと中断してる千早本。創元のSF短編も投げてみたいなぁ。オリジナルの練習したら千早本にもフィードバックできるだろうし。

 とにかく、今年もよろしくお願いします!

 色々一段落したので買った本読んだり、あっ、体重がヤバいのでダイエットしなきゃだし、あとはね、あとはね、あれやこれや、あれやこれや……

世界の端で爆弾を編む

 先日クローズドな場所で『永遠の扉』に対する感想を頂いた。かなり熱のこもった内容で、物書き(ただの二次創作をやってる人間が物書きだのとはおこがましいが)の冥利に尽きるのだが、一番うれしいのは物語に対する感覚が共有できたことに尽きる。そのとき、誰が書いたかなどという問題は消え失せ、そのストーリーが、キャラクターが、我々に作用したと認められるのだ。すなわち、作用の源――琴乃宮雪――はまさしく存在するのである。

 これはここ十年来の個人的テーマで、当然、千早本の柱でもある。

 物語の登場人物・キャラクターの特権は、非実在性にある。彼・彼女らは徹頭徹尾、実在しない。触れられることはなく、声を上げることはなく、各個人の認知の内側にまるで雲のようにあやふやに存在している。彼女たちは人間ではなく、情報的存在と言ってよいだろう。

 しかし、情報的存在であるがゆえの利点がある。質量がないゆえに、我々と彼女らとの距離はゼロになりうる。万有引力のゼロ除算が発生しないのだ。

 これは単なる疑似的な科学のアナロジーに過ぎないことは承知しているが、そこに確かな可能性が存在している。遍く時刻と座標において、彼女たちは作用する。ここにあるのは確かな思想だ。社会に対して一発かましてやれるだけの大きな運動体だ。

 だからお前も俺も爆弾を編んでいる。世界の端でだ。それが自室なのか、カフェなのかは知らないけど、大槻ケンヂ風に言うのであれば「この国を言葉で燃やし尽くしてみせよう」か「魚雷一発轟沈させてえ」だ。

 ……なんか締まらなくなっちゃったな。感想頂いて嬉しかったのと、仕事の合間を縫って朋花本を書いたら、なんだかんだ小説書くのって楽しいなという高揚感からはみ出した文字がここに漏れ出したってことで。

年末だし今までの同人活動を振り返る 後半戦

 同人活動振り返り後半戦!!!

歌の神さまのバースデイ

cn-idenshi.booth.pm

  • 発行日:2020/11/23
  • 初頒布:歌姫庭園23(大田区産業プラザPiO)
  • フォーマット:文庫判
  • ページ数:326(表紙含む)
  • 印刷所:コミックモール

 多田八史上最大のボリュームでお届けする本作は、2017年初頭に着想し、3年ほどシコシコと書き続けた物語の集大成となっています。もうこの本を上梓できれば同人もアイマスも(!)やめてもいいというぐらいの気合いで臨んでいます。

 歌の存在しない世界と言葉を失った人間というのは、おそらく小説というフォーマットでしか成立し得ないでしょう。そして、如月千早というアイドルに対する言葉でこそ表現可能な結論は、至福と絶望の二律背反を二人称の相手=読み手=プロデューサーに否応なく突き立てるわけです(本当か?)

 千早とP、どちらかが「世界の修繕」を望まなければ『聖なれよ、朋花』に行き着くという設定もあるとかーないとかー。

 当初はISF09で頒布予定でしたが、流行り病の影響で初頒布は歌姫庭園の方になりました。歌姫は一応オールジャンルでしたが、デレシャニのほうがサークル数が多く、ISFがやはり実家のような安心感でした。

 ツイッターで履歴を確認すると、ISF07でプロローグ版をコピー本で頒布していたようで。それだけ前から書いていたため、満を持しての頒布だったようです。

セイレーンはどこへいく?

cn-idenshi.booth.pm

  • 発行日:2022/5/22
  • 初頒布:IDOL STAR FESTIV@L 09(横浜産貿ホール マリネリア)
  • フォーマット:文庫判
  • ページ数:80(表紙含む)
  • 印刷所:プリントオン

 本作から組版をLuaLaTeX+jlreqに移行しました。これがまー便利で便利で……。

 さて、前作でかなりのものを出し切ったので、方向性を変えています。それには形から、ということでカバーがキラキラ仕様。当初は箔押しをやりたいと思っていたのですが、弱小サークルとしては許容しきれない単価になってしまうため、プリントオンさんでホログラムペーパー+白押さえで印刷。千早の肌の部分は白で押さえて、鱗に相当する部分を中心にホログラムを表に出しています。特に瞳の部分は見る角度で印象が変わるのでお気に入りです。

 話の内容は、千早とグサグサと刃を突き立て合っていると幸せだよね~~~って感じです。モチーフは『老人と海』と『人魚姫』でした。

【密着お耳徹底ご奉仕♡】歌姫アイドル・如月千早マイクロビキニメイド姿でプロデューサーにASMR接待するなんて…… (仮)という企画を考えたら、なんか知らんが千早が俺の家に押しかけてきた件。

cn-idenshi.booth.pm

  • 発行日:2023/5/28
  • 初頒布:IDOL STAR FESTIV@L 10(横浜産貿ホール マリネリア)
  • フォーマット:A5判
  • ページ数:28(表紙含む)
  • 印刷所:栄光

 版権物のASMRがDLsiteを席巻してるんだから、アイマスASMRが出てもいいだろ、バンナム! 先に俺が台本書いとくからな! というノリで生まれた本です。

 常夜灯にして一文ずつ脳内再生して寝落ちすることを想定しているので、フォントが大きめ。ASMRやれ!の理念だけではなく、本作は実用書なのです!

永遠の扉

cn-idenshi.booth.pm

  • 発行日:2023/8/13
  • 初頒布:コミックマーケット102
  • フォーマット:文庫判
  • ページ数:172(表紙含む)
  • 印刷所:コミックモール

 発売から20年経った今年、OS対応・ハイレゾ化・フルボイス化されて再登場した『水月GP』に合わせて制作したR-18二次創作小説。

 本編から20年経過した主人公・瀬能透矢が故郷である那波町に戻り、少年時代の自分に出会い、再び「マヨイガ」へ迷い込んでいく……という筋書きです。

 水月は個人的な原点の塊なので、こうして形にできてよかったです。伝統のおしっこもいっぱい出せたしな。

緞帳の垂直縫合

cn-idenshi.booth.pm

  • 発行日:2023/11/19
  • 初頒布:IDOL STAR FESTIV@L 11(東京流通センター
  • フォーマット:A5判
  • ページ数:20(表紙含む)
  • 印刷所:栄光

 ライブレポート風小説。今進めてる千早長編の真ん中当たりを切り取ったようなイメージです。

 時間とともに記憶は風化していくので、それをネガティブなだけではなく、物語として過去改変してやろうと、そういった意気でこれからも進めてまいります。

 表紙のクラフト紙に白印刷は結構お気に入りです。

New Me, Continued...

 さて、これからのお話ですが、前述の通り「緞帳の垂直縫合」をコアにした本は、粛々と進めます。

 一方で次回のISFに関しては朋花本になります(申し込み済み)。

 劇場が炎上します(物理)が、人死とか怪我人はでないです。良心的。本当か? っていうか、アイドルが食われるコンテンツに今さら配慮しなくても

 あと朋花ファンのモブがいっぱい喋る予定です。流行ってるしね!(流行りを間違えて解釈)

 ミリアニ後の同人誌がどのようになるのか……次のISFが楽しみ!

年末だし今までの同人活動を振り返る 前半戦

 たまには歴代の同人誌の話していいですか。隙あらば自分語りかよ! なんて苦情が飛びそうですけど、ここは私のブログなので何も問題ありません。

Early Days

 同人誌制作をするようになる前は、インターネットでヒソヒソとSSを書いていました。代表的なもので言うとアンテナを売る話(筋少ネタ)とか、千早と月に行く話とか、千早の記憶が退行していく話とか……

 さて、鋭いCN遺伝子マニア(そんな奴はいない)の方はお気づきかと思いますが、後年発行する事となる同人誌のネタはここからもってきています。もっとも、そのストックも使い果たしたここ数年は、完全にゼロから話を起こしているわけですが。

CN遺伝子結成

 2015年初頭。なんやかんやあってイラストを描いていただいている篤信くん(@atunobu4)と出会い、CN遺伝子を結成。現在に至る。

歌声よ、月の裏側から届け

  • 発行日:2016/2/25
  • 初頒布:蒼い歌姫 5th style(全電通ホール
  • フォーマット:文庫判
  • ページ数:268(表紙含む)
  • 印刷所:ねこのしっぽ

 千早とPが月に辿り着いてライブをする話。以上。

 というと味気ないのですが、そのSF風味の過程を経てようやく素直に二人の距離を詰める千早とP……といったあらすじです。ところで、裏の紹介文に「ハードSF」とか書いてありますが「そんなにハードじゃないけどなんかカッコいいから銘打っとけ!」というインチキの結果です。ごめんなさい。

 同人誌処女作で12万文字とか謎の量を書いています。当時は、仕事終わり→帰宅→X205TAを抱えて喫茶店、という生活でした。一方で、書いた文を直すという行為を最低限しかやってないので、誤字が多いし文章が詰めきれてないです。再度目を通すと残念なところも多いわけで……とはいえ、最終盤の展開は今でもお気に入りです。

 Web公開するには修正に手間暇かかりすぎるので……うん。

 ところで、この本から既にLaTeX(pLaTeX)で組版しています。その辺もノウハウがからきしだったので大変でした。一度テンプレートを確立しちゃえば結構楽なんですけどね。

 結局、組版については紙面ギリギリ文字デカすぎで未熟も未熟。印刷所に出すというのも経験ゼロから始めて……ああ、このときお願いしたねこのしっぽさん、マジで親切です。仕事先が奇跡的に近かったので、直接パンフレットもらいに行ったな……。

 さて、そもそもなんで同人活動始めたかというと、SSを書いていたというバックグラウンドもありますが、この前年の蒼い歌姫に一般参加して感化されたというところが大いにありました。

 それ以前も同人イベントには一般参加していたのですが、このときはかなり気分が上向いていたのでしょう、既に出来上がった物語に地の文を加えれば小説同人誌として成立するだろ! というかなり楽観的な発想に飛びついたわけです。そして実行に移して完遂するのが、8年前ということで若さの賜物なのでしょう。

Simulator at Akihabara -S@A-

  • 発行日:2016/5/1
  • 初頒布:第二十二回文学フリマ東京(TRC)
  • フォーマット:B6判
  • ページ数:48(表紙含む)
  • 印刷所:自家製本

 実はあるんです、オリジナル同人誌。舞台は秋葉原。謎のバーに設置されている「シミュレータ」を巡るオムニバスストーリー。

 多感な時期を東京に憧れながら地方で過ごしたオタクなものですから、私の中には漠然と「架空の、理想の、秋葉原」が構築されているわけです。

 さて、大学進学とともに上京し、ついに実際の秋葉原にも何度となく訪れることになるのですが、そこで感じた私の中の秋葉原と現実の秋葉原のギャップがこのストーリーの原動力といっても過言ではないでしょう。

 Web公開は……正直気恥ずかしさが勝るのでやらないでしょう。っていうか創作って小っ恥ずかしいことしかないよな、うん。

ギター少女と夢みる歌姫

www.pixiv.net

  • 発行日:2017/3/5
  • 初頒布:蒼い歌姫 THE FINAL(全電通ホール
  • フォーマット:文庫判
  • ページ数:172(表紙含む)
  • 印刷所:ねこのしっぽ

 インターネットSS書き書きマン時代に千早とジュリアの話を書いたことがあったのですが、その内容を更に発展させたものを描きたい! というのが本書のモチベーションです。

 ルート分岐ということを意識して、先だってネットでSSを公開し、そののち後半が分岐したバージョンを同人誌として発行しようと画策したわけです。こういう微妙なこだわりが通じているのかはよく分かりませんが……。

ジュリア「夢みる歌姫と」千早「ギター少女」 https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474816131/

 さて、この作品、拙著では唯一といっていいくらいの、非P千早アイマス二次創作です。DSの武田さんの登場などやりたい放題のように見えますが、裏テーマは「無印春香のドーム成功エンド後」だったりします。完璧なアイドルとしての天海春香が、すべてのアイドルを侵食してしまうというのは、これまたSF的な発想ですね。

 この作品はWeb公開していますが、同人誌の内容をほぼそのままベタっと貼り付けただけなので、読みづらかったらすみません。

流れて私の涙、と千早は言った

www.pixiv.net

  • 発行日:2017/5/20
  • 初頒布:IDOL STAR FESTIV@L 03(大田区産業プラザPiO)
  • フォーマット:B6判
  • ページ数:32(表紙含む)
  • 印刷所:自家製本

 なにやらミリオンの同人イベントがあるらしいと小耳に挟んでISFに参加。既刊のみ頒布のつもりが、ミリオン台湾公演に感化されて急遽コピー本を作成。

 台湾公演で強く感じた千早の二重性(エタハモ/蒼い鳥)を元に、「劇場の千早」と「ソロプロデュースの千早」を独立した存在として描写、対置したストーリーを展開した。この方策とテーマは、今日に至るまで健在。

 ミリオン台湾公演は2017/4/22,23開催だったので、ISFまで一ヶ月もない! かなりの衝動で書き進めたのでしょう。表紙は現地で撮った写真をお手製で加工したものとなっています。タイトルよりディックのオマージュであることが窺えます。

 台湾ライブ、めっちゃ楽しかったのでまたやって星井。現地の料理も美味かったしな。特に小籠包……小籠包? うっ、頭が……

聖なれよ、朋花

www.pixiv.net

  • 発行日:2017/10/29
  • 初頒布:IDOL STAR FESTIV@L 04(大田区産業プラザPiO)
  • フォーマット:A5判
  • ページ数:20(表紙含む)
  • 印刷所:栄光

 ミリオンライブ当初からそのただならぬ雰囲気を醸し出していた天空橋朋花に惹かれないわけがありません。ということでこれもSS書いてそれを大規模修正した話です。

 タルコフスキー後期作品を援用しつつ、765ASとMSの関係について描いた内容でした。当時は765ASが終了してしまうような空気があったので、反駁めいた諦念が前面にでているように思います。

 同人誌版だけですが、中也の春日狂想をエピグラフに引用していますね。お金出してもらった方に申し訳ないので、Web版とは微妙な差異が存在しています。

プラチナの首輪、血の滲む指輪

www.pixiv.net

  • 発行日:2018/6/17
  • 初頒布:IDOL STAR FESTIV@L 05(横浜産貿ホール マリネリア)
  • フォーマット:A5判
  • ページ数:108(表紙含む)
  • 印刷所:栄光

 R-18小説オムニバス本。しこしことpixivにエロ小説を上げてた多田八の本領発揮。エロゲー的記憶退行、ハードで陰鬱な責め、千早母とチョメ、南の島で自堕落生活など何でもあり。

 特に書き下ろしの『Forget-Me-Not』は濡れ場もさることながら、個人的な如月千早の原点。「初プロデュースの失敗」をフィーチャーしながら、その先に様々な物語が展開していくだろうという万人のメタな視点を取り入れています。

 まだWeb公開してないものもあるので、来年の2月はここから拝借しようかな……。

ある日の風景 765プロ私設図書館編

  • 発行日:2018/10/8
  • 初頒布:カラマス地球(テラ)(京セラドーム大阪スカイホール)
  • フォーマット:B6判
  • ページ数:20(表紙含む)
  • 印刷所:自家製本

 実は大阪遠征も敢行している私ですが、この本はレア中のレア……。若干存在を忘れていました。当時は台風で日程が延期になったり、これは私のミスですが新幹線の予約時間を間違ったり、なかなかの踏んだり蹴ったりぶりでした。

 つい先日もW@VEさんにもお邪魔するなど、大阪めっちゃすきやねん人間なのでまた参加したいのですが、やっぱAS・ミリオンのサークル数が……ね(ISF強すぎ問題)

エンジェル・イヨマンテ

cn-idenshi.booth.pm

  • 発行日:2019/11/3
  • 初頒布:ISF08(横浜産貿ホール マリネリア)
  • フォーマット:A5判
  • ページ数:20(表紙含む)
  • 印刷所:栄光

 木下ひなたをメインに据えて、地方出身の子たちをフィーチャー。北国の冬の描写は個人的な記憶や、父母親戚の思い出話なども取り入れています。タイトルは「大切な人を送る」という意を込めて。(ひなたはエンジェル属性)

 

 

 リンクが多くなりそうなので、ここで一旦前半として閉じます。後半は年内更新で。